1981年 はなたん4歳
「負けずに助け合って生きよう」母は泣いた目で呟いた。彼女の3人の子はうん、と小さく頷いた。家近くの夜道には田んぼと虫の声と私達の話し声だけ。ケーキを頬張った。道のど真ん中に寝転がり星を眺めると沈んだ気が少し舞い上がる感覚だ。涙を堪えた。私達は暴力の家から束の間逃げてきた鳥だった。
「負けずに助け合って生きよう」母は泣いた目で呟いた。彼女の3人の子はうん、と小さく頷いた。家近くの夜道には田んぼと虫の声と私達の話し声だけ。ケーキを頬張った。道のど真ん中に寝転がり星を眺めると沈んだ気が少し舞い上がる感覚だ。涙を堪えた。私達は暴力の家から束の間逃げてきた鳥だった。